合格の処方箋

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指定校推薦の学校選考に落ちた高3受験生の末路

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「指定校推薦がダメになったんです。今から受験勉強して〇〇大学行けますか?」

毎年、9月末頃にこういう高3生の親子が数人塾へ駆け込んで来る。

大抵、アタフタ慌てているのは母親で、生徒本人は自分のことなのに「なんとかなるんじゃないの」って感じだ。

そして、この様な状況に陥っているのが、何故か有名私立進学校の生徒がほとんどなのである。さらに、高校へ進学してから塾に行っていない。

これは、塾側からすれば、お手上げ状態である。

指定校推薦とは

多くの私立大学で実施されている推薦入試制度のひとつ。

大学側から、指定した高校に対して推薦枠を与え、それを受けて高校が校内で募集・選考し、学校長からの推薦で出願します。

その後面接などの試験によって合否が決まりますが、高校と大学などとの間の信頼関係により成立している制度であるため、合格率が非常に高いのが特色です。

通常は6~7月頃募集が公開され、9~10月頃に学内選考を経て出願し、11月~12月頃に合否が決まります。

ほとんどの場合は専願で、合格を取り消すことはできません。

1年、2年次の2年間と3年次の1学期の評定平均が選考基準となり、中には出席日数の基準を設ける大学もあります。

条件をクリアすれば出願要件を満たしたことになりますが、もし高校内で複数の受験者がいる場合、評定平均の高い生徒が推薦されることが多いようです。その点、高校1年次からどれだけ授業を頑張ったかが評価される制度といえます。

引用元-指定校推薦入試|大学用語解説|高校生のための大学進学ガイド|日本の大学|ナレッジステーション

ざっくり言うと、定期テストの成績が良い生徒達によって、指定校推薦枠を競い合うということです。

指定校推薦の現実

東大や京大、国公立医学部へ数十人も合格実績を誇るスーパー進学校の生徒は、指定校推薦は眼中にはない。学力勝負のガチンコ一般入試を目指して、日々受験勉強に勤しんでいる。

一方、第一志望を私立大学に考えている受験生にとっては、指定校推薦はある意味美味しい入試制度である。定期テストの勉強を怠らず、良い成績を残し評定を4や5で揃えておけばまず選考の土俵には上がれる。そして、指定校推薦に選ばれた生徒は、その大学への合格と進学がほぼ確実となる。

誰もが、しんどい受験勉強をせずに、MARCHや関関同立(中には早慶上智)へ進学できる指定校推薦を利用したいと考える。

また、そこそこの私立進学校の大半が、「指定校推薦枠がどれだけあるか=出口保証」を掲げて生徒集めに必死である。ここに惹かれる親や生徒も多数いるのも事実。

しかし、実際蓋を開けてみると、指定校推薦枠(人数)以上の生徒がそれを考え、その枠を奪い合っており、椅子取りゲームのようなものである。

では、この指定校推薦の選考はどの様に行われているのか?気になるところである。

大学側からの評定平均基準は、オープンにされているのだが、それ以外の学校側の選考基準が非公開としている。なので、評定平均基準を満たしている成績にも関わらず、選考漏れになる生徒が量産されるのである。

この指定校推薦の選考会というものは、各高校で早くて8月、一般的には9月に実施され結果が発表される。

ここに至るまで、三者懇談等で担任の先生から「この成績をキープしていたら指定校推薦は大丈夫ですよ。」と言った類の言葉を鵜呑みにし、大学受験楽勝モードでいた生徒に限って、選考漏れになるという悲惨な結果が待っている。

「担任が指定校推薦大丈夫って言ってた」と抗議しても、後の祭り。この結果はひっくり返らない。また、「なぜ選考漏れになったんですか?納得できない」と抗議しても、学校側は、選考基準をオープンにしない。

そう、学校も担任も指定校推薦に漏れた生徒に対して、何の責任も負ってくれない。指定校推薦がダメなら一般入試で大学受験すりゃあいい、そんなものだ。

もう、お気付きかもしれないが、この指定校推薦なるものは、宝くじに当たるぐらい確実性はないと思っておいた方が良いのだ。

そして、受験生が塾や予備校で必死に勉強を積んでいる夏休みに学校の宿題だけさらっとやって過ごした生徒が、大学入試まで実質3ヶ月切った頃に受験勉強をスタートすると言うとんでもない現実を突きつけられるのである。

最後まで諦めない

では、指定校推薦を手に出来なかった生徒はもう大学進学はできないのか?

そうではない。

私自身も、そんな状況から起死回生、一発逆転、見事志望校に合格した生徒を何人も指導してきた。(もちろん現役合格)

確かに、巷は受験勉強の追い込みをかけている時期に、基礎固めをやっていて、学力以前に、入試当日までに間に合うか?という状態。

ただ、ひとつ言えるのは、現実から目を逸らさず、スタート地点にしっかり立って最後まで諦めずに走り続けた生徒は、合格している。